苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

マーケターとして尊敬する森岡毅さんが新たに上梓された本です。

この本はサブタイトルでもあるように『ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』についての内容です。森岡さんの大学2年生の長女が自分のやりたいこと、やりたい仕事が見つからず悩んでいた。自分のやりたいこと、進みたい道は自ら考えださないといけないが、自分の将来や仕事のことを考える際の「考え方(フレームワーク)」は知っておいたほうが良い。森岡さんは自身の持つ『パースペクティブ(本人が認識できる世界)』を体系化して、わかりやすく文章で書きだして、子供たち将来のことで悩んだ時の「虎の巻」を作りました。その内容が今回の書籍になっています。

ここでちょっとブレイク。

パースペクティブ について深堀してみました。僕自身もこの言葉は初耳で、調べてみると、

① 遠近法。透視画法。
② 遠景。眺望。
③ 予想。見通し。視野。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%96-11735

だそうです。今回の意味としては視野が該当します。

https://chewy.jp/businessmanner/6144/

さらにビジネスにおいては、さまざまな視点、多角的な視点、などさまざなビジネスシーンで判断を下す際に必要なものになります。物事を判断するときの視野を広く持つ、さまざまな視点、俯瞰して見られることで、選択肢も広がるし可能性も広がるよねってことです。

弊社でも特にWEBサイト上に新たなサービスを配置する際に、基本的なUI/UXベースで考えますが、より自社サービスのユーザー視点をもって考えないと、使ってもらえないサービスとして終わってしまいます。

さらに新たなサービス、事業を開発する際も、多角的な視点、広い知見がないと良いものは作れません。

もの創りの世界に正解はありません。自分ひとりだけの狭い視野・視点で見るのではなく、他者が持つ視点を謙虚に学ぶことで、武器を1つ1つ増やしていきます。

 

話を書籍に戻します。

この本は世の流れというか、ビジネスにおいて勉強になることが多く書かれています。ビジネスの世界で戦う人は、みな読むことをお勧めします。

本の中でいくつかピックアップして紹介します。

 

パースペクティブについて書かれたところで、僕は衝撃を受けました。

資本主義社会について書かれていて、

資本主義社会においては、大きく分けると2種類の人間しかいないことを知っておかねばならない。自分の24時間を使って稼ぐ人と、他人の24時間を使って稼ぐ人。前者を「サラリーマン」と呼び、後者を「資本家」と呼ぶ。後者の資本家のためのにルールが作られた社会であることを知っておかねばならない。わかりやすく言うと、資本主義社会とは、サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造のことだと言える。

改めて我々が働く社会構造について書かれていました。その上で、日本の教育システムは大量の優秀なサラリーマン(労働者)を生産するように作られ、そもそも資本家になる道はほとんど教えられていないから”知らない”。つまり資本家としてのパースペクティブがほとんどの人にないのだ。

日本の教育システムは、良い成績を取って、良い大学を出て、大きな会社に入って、安定した生活を送る、それが幸せな成功者の目指す道だと。昭和の高度経済成長時代の”呪い”がまだ色濃く残っている。と本には書かれている。

さらに、日本の多くの人の現在のパースペクティブを作る根源が、遅刻はしない、出された宿題は期日までにする、周囲と仲良くするなど、小さいころから学校で叩き込まれるそれらの美徳を育む習慣は「規律ある優秀な歯車」をつくるのに実に都合がよい。

以前から言っているホリエモンの近畿大学の講演での内容でもそうだが、これからの社会では言われたことをがむしゃらに頑張るだけではだめ。そうゆう日本の教育が変わらなかったせいで、今の日本の大企業も中国・韓国勢に押され経営が傾き買収され、倒産の危機にあっている。ITでも主にアメリカ勢の企業がメインサービスとなり、日本発のサービスが世界を席巻しているところは少ない。日本の教育は暗記することがメインだったが、発想をすることをメインにしないといけない。CMでもあったが、「1+1=〇」ではなく「〇+〇=5」のように、小さなことから発想をする教育をしないといけない。

 

 

次にピックアップするのは、年収を決める世の中の法則。

人の年収はどうやって決めるか?実は君が職業を決めた瞬間にほぼ自動的に決まってしまうのだ。

3つのドライバーで決まる。「職能の価値」「業界の構造」「成功度合いによる違い」

「職能の価値」は簡単に言うと、”代替がききにくい人”の給料は高く、その逆は低くなる。専門職はより高く、工場のラインなど誰でもできる仕事は安くなる。直近ではソニーがAIエンジニアの新卒に高待遇を示したことなどがある。そもそも誰でもできる仕事はAIにとって代わるが。

「業界の構造」とは、そもそも各業界で利益の出方などが異なり、儲かる業界では給料水準は高く、当たり前だが儲かりにくい業界では給料水準は低い。IT業界はうまくやれば儲かる。儲かる仕組みさえ作れれば、Googleの様に何兆も稼ぐ企業もある。逆に飲食業界など、経営者でない限りはどれだけ頑張ってもIT企業のように稼ぐことは不可能である。これは構造上そうなっているから。

「成功度合いによる違い」は、文字通りどれだけ努力をして成功するか。シンプルですね。

高い給料が欲しければ、最先端の業界で、最先端の職種で成功を収める ことです。一例だが、IT企業でAIエンジニアのプロフェッショナルになる。IT業界で知見が広く発想力が豊かなマーケターになる。など色んな選択肢はある。だが、その給料水準だけで選んでしまうと成功度合いが低くなりがちである。それは、自らが楽しんで仕事をできるかどうかがポイント。楽しくなければ熱中できないし、逆に心の底からその仕事が好きで楽しければ、寝食を忘れて没頭し大きな成功を収められる。

これらのパースペクティブがあるかないかで、就職活動の考え方、選択肢も大きく変わるだろう。

 

 

次は、本の内容をそのまま記載します。読んで自身で考え、実感してください。

昭和の時代ならば、レールが”はっきり”そして”しっかり”していたからそれで良い。皆で勉強して、皆で偏差値の高い大学を目指して競争して、皆で一流の大きな会社に入って、皆で一生懸命働いて、そうすれば皆を会社が一生面倒見てくれる。ややこしいことを言う個性の強い人間よりも、事務処理能力だけは高くてでいるだけ従順な大量の”歯車”が必要な時代だった。かつての日本では”個”の覚醒など要らなかったのだ。

しかし今はそんな時代ではない。一旦レールが見えなくなると、古い意識と社会システムから抜け出せず、世界との競争で日本は成長なき”空白の30年間”を停滞してきた。

この30年間で日本がどれだけ貧しくなったか想像してほしい。そしてこの先はどうなるのか?このまま日本人がボンヤリしたままま、”ワークライフバランス”とか寝ぼけたことを言っているとますます落ちるだろう。Work is an important part of your lifeではないのか?二者択一でバランスをとってどうする!もともと資源にも恵まれていない小さな島国が1億2千万人も食べさせないといけないのに、ライフのために必死に働かなくてどうする?

”勤勉さ”こそが日本人の最大必須の強みなのに、猛烈に働かなくてどうするのだ?豊かな暮らしがしたいなら、最低でもアメリカ人よりも倍くらい必死に働かないとまずい。そんなことは世界地図を見たら直感的にわかるだろう。世界は繋がった競争社会だ。日本人がのんびりすることで得するのは日本人ではない。ゆとり教育を否定した大人は、今の大人の方がよほどの”ゆとり”につかるとしている自堕落な風潮を反省すべきだ。30年間も失敗し続けてきたのがだから、日本人もいい加減に目を覚まして”必死”にならねばならない。昭和のやり方では古い、平成のやり方でもまずい。これからの我々は、戦略的に準備して、精神的に戦うのだ。

森岡さん、すばらしい文章をありがとうございます。

 

そのほか本書では、森岡さんのP&G時代のアメリカ本社での壮絶な日々も綴られています。森岡さんは無力なサラリーマンである以上は「後ろ向きな仕事」は避けられないという悲しい結論だとも言っています。会社の方針に沿った辛い仕事や、やる目的が理解できない仕事もしないといけない。

次の文章はとても同意できるものだったので紹介する。

無力ではない、つまり有力なサラリーマンとは?それは会社にとっても数多くいる消耗品のような「人材」ではなく、辞められたら本当に困る「人財」として組織に認識されること。それでようやく、ある程度の台頭さで会社と交渉できるようになる。もしP&Gにとって当時の私が本当に辞められたら困る人財だったのであれば、あのシンガポール人上司は内示を変更してまで私にフィジークのババを引かせたはずはない。悲しいことだが、その時もそう思ったし、今ならばそうゆうことだったと断言できる。不運として片づけてよいことばかりではない。この場合は、己の力不足が不運を呼び込んだ構造的な原因になっていたのだ。

有力なサラリーマンになった先は、いつか会社の枠を超えて自分の名前で仕事が選べるレアなビジネスマンになってやろうと思った。その自由を手に入れたとき、はじめて私にとっての「後ろ向きな仕事」から本質的に解放されるのだ。そして目的が同じ仲間たちがいれば、力を合わせて「勝つための戦い」はもちろん、情熱が奮い立つような「大儀ある戦い」すらも選べるようになる。いつかは仲間をそんな面白い旅に連れていける自分になれるかもしれないと夢想した。私が起業したマーケティング精鋭集団「株式会社 刀」は、実はこの時の想いを原研にしている。

2つの学びのもう1つは、結果を出さないと誰も守れないということだ。組織にとって都合の良い働きをしたとしても、結局はフィジークのように結果が悪ければ、誰も守ってくれないし、誰も守ることはできない。頑張って私を支えてくれた部下二人に報いるどころか、彼らのキャリアに悪い影響を与えてしまった。新しい上司は私よりも後から来たのに私をかばって会社を辞めた。私が動かしたすべての人たちを、私はリーダーとして守れなかったのだ。もしフィジークが私の個人商店であれば負債を抱えてとっくに倒産している。そして経営規模が大きくなると、全く同じ原理で被害はもっと大きくなる。なんだかんだ言っても、会社の業績が悪ければ給与カット、大量のリストラ、全員が失業、本当にろくなことにはならない。

ならばリーダーとして成さねばならないことは何か?それは、誰に嫌われようが、鬼と呼ばれようが、恨まれようが、何としても集団に結果を出させることである。自分の周囲の仕事レベルを引き上げて、成功する確率を上げることに、達すべきラインを踏み越えることに、一切の妥協を許さない。そういう厳しい人にならねばならないということだ。

私は、ナイスな人であろうとすることをやめた。森岡さんってどんな人?と聞かれた部下や周囲の人が、もうどれだけ罵詈雑言を述べたってかまわない。ただ一言、「結果は出す人よ」と言われるようになりたい。人格の素晴らしさで人を引き付ける人徳者である必要もない。ただ「ついて行くと良いことがありそう」と思ってもらえる存在であればよい。結果さえ出れば、彼らの評価を上げることができるし、彼らの昇進のチャンスも獲得できるし、給与もボーナスも上げることができるのだから。大切な人たちを守ることができるのだ!

リーダーの責任の重さの本質も説いている文章でした。

笑ジャパンには事業所の責任者、主任、副主任というポジションがあります。社会一般的にもこれらのマネジメント職には高い給料が払われ、それに伴って高い責任が科せられます。その組織・チームの責任者として、チームとしての高い成果を出し、会社に貢献して利益を出す。そうゆう大きな責任がのしかかります。私自身も今は雇われの身ですが、社長として笑ジャパンで利益を出してみんなの雇用を守り、給料水準を上げ、会社のレベルを上げていく責務があります。

基幹事業のポケパラの成長に伴い、社員の数もまだまだ増えていきます。森岡さんの言葉にもあったように、会社が大きくなればなるほどリスクは高まります。少しでも気を抜いて危機感がなくなれば、競合にシェアを奪われ利益がなくなり、給与カット、リストラが起こってしまうかもしれない。絶対にそうならないように、逆に成長を続ける企業になるために、私を含め特に役職者は結果にこだわって仕事を進めていかないといけません。ただ楽しい会社だよねだけじゃ継続はできません。利益を出し続けてみんながハッピーな生活を送れるようにしないといけません。

 

めちゃくちゃ長い文章になってしまいましたが、この書籍は個人で買ったものですので、読みたいという人がいれば声をかけてください。先着順でお貸しします^^